ネタバレあり
炭治郎を含む柱たちが「痣」を発現させ、100年以上倒すことができなかった上弦の鬼をつぎつぎと倒し、時代が動き始めます。
- 一体、『痣』とは何なのか?
- 炭治郎は、なぜ『痣』を発現できたのか?
- 善逸・伊之助・カナヲの3人は、なぜ『痣』が発現しなかったのか?
「痣」にまつわる秘密を明らかにします!
さらに柱たちも次々と「痣」を発現しますが、これは次世代へ「受け継ぐ」という『鬼滅の刃』のテーマを解く鍵にもなります。
では、早速見ていきましょう!!
- 炭治郎が初めて痣を発現した理由
- 痣を発現した柱たちの役割
- 善逸・伊之助・カナヲの3人が、痣を発現しなかった理由
- 『鬼滅の刃』の真のテーマ
【この記事を書いた人】
・年齢1ケタの頃から30年以上マンガを愛する2児ママ。
・電子コミック歴6年(学生時代も入れると10年)
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痣の発現について
引用:鬼滅の刃15巻128話「御教示願う」
主人公・竈門炭治郎は、『遊郭編』で初めて「痣」を発現させました。
つづく『刀鍛冶の里編』では、鬼殺隊の柱である時透無一郎と甘露寺蜜璃の二人にも「痣」が発現します。
「痣」とは一体なんなのか?
鬼殺隊当主の産屋敷耀哉(うぶやしきかがや)が不在の緊急柱合会議で、「痣」の発現条件をお館様の妻・あまねが二人の柱に尋ねます。
痣とは
痣発現の条件
引用:鬼滅の刃15巻129話「痣の者になるためには」
【痣の発現の条件】
- 体温39度以上
- 心拍数200以上
「刀鍛冶の里」で痣が発現した霞柱・時透無一郎によると、体温39度以上、心拍数200以上の条件が満たされたとき「痣」が発現すると推測されます。
そしてあまねによれば、
痣の者が一人現れると共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる
引用:鬼滅の刃15巻128話「御教示願う」
つまり、「痣者が近くに現れると伝播しやすい」という特徴が語られます。
痣は「力の向上」の象徴
引用:鬼滅の刃20巻170話「不動の柱」
- 力の向上
- 寿命の前借り
- 25歳までしか生きられない。
- 25歳を越えて発現した場合、その日のうちに死ぬ。
「痣」については内容があいまいな部分が多く、鬼殺隊本部でも詳細がわかっていません。しかし敵対する鬼にも痣の紋様がたびたび見られることや、上弦の壱・黒死牟の発言からも「力の向上」の結果現れるようです。
そして人間においては、痣が発現したとしてもそれは「寿命の前借り」だとされています。
そのため痣が発現した場合、25歳までしか生きることができません。25歳を越えて痣が発現した場合はその日のうちに死んでしまう、ということが黒死牟により明かされます。
炭治郎の痣発現の理由
引用:鬼滅の刃15巻128話「御教示願う」
今の世代では、主人公の竈門炭治郎が初めて痣を発現させました。
なぜ炭治郎は痣を発現させることができたのでしょうか?
遺伝と痣の発現
生まれながらの痣者・継国縁壱の「日の呼吸」を継いだ、炭吉の子孫だったため。
炭治郎の祖先である「竈門炭吉(かまどすみよし)」は、生まれながらに痣があった継国縁壱(つぎくによりいち)」と深いかかわりがありました。
縁壱には子どもがおらず、自身が生み出した「日の呼吸」を継承させる者がいませんでした。しかし、鬼から炭吉夫妻を救った縁から、「日の呼吸」の型を炭吉に教えることになります。
こうして「日の呼吸」は、竈門家が代々「ヒノカミ神楽」という舞の形で継承していき、炭治郎にも受け継がれました。
▼炭治郎と時透無一郎の祖先の親交については、こちらの記事でも紹介しています。
痣の発現と炭治郎の「想いの継承」
引用:鬼滅の刃10巻81話「重なる記憶」
炭治郎の額の傷(痣)が濃くなる要因は、いつも「他の誰かのため」
炭治郎の父・炭十郎には生まれつき額に薄い痣がありましたが、炭治郎には生まれながらに痣はなく、遺伝しませんでした。
かわりに兄弟を庇ってできた火傷の跡が額にはあり、さらにその火傷の跡を最終選別において、鬼に襲われた仲間を助けようとして再び負傷します。
初めて痣が現れその力が発揮されたのは『遊郭編』で、上弦の陸・妓夫太郎の頸を切るときでした。
引用:鬼滅の刃11巻94話「何とかして」
炭治郎の額の傷(痣)は、遺伝ではなく後天的にできたもので、常に人のために命を懸けるときに濃くなっていた。
炭治郎と「受け継ぐこと」
引用:鬼滅の刃9巻78話「ぐねぐね」
「想いを受け継ぐ」という作品のテーマ
炭治郎が額の傷を濃くしてきた要因は常に「人を守る」という理由からでした。
例えば、初めて痣が発現した『遊郭編』では、前作『無限列車編』での炎柱・煉獄杏寿郎の死が大きく関係しています。
『遊郭編』で堕姫との戦いが始まったときの炭治郎は、自分ではなく離れた場所にいる宇随や善逸、伊之助の心配をしているシーンがよく見受けられました。善逸や伊之助は同期なのでわかりますが、宇随は鬼殺隊の柱であり、炭治郎よりもはるかに実力も経験も積み重ねた猛者です。
人の心配より自分の心配を・・・
と言いたくなるようなシーンなのですが、これは無限列車での「煉獄の死」を忘れられない、いわば炭治郎にとって「トラウマ」で、絶対に誰も死なせたくないという強い思いの表れなのでしょうね。
また宇随の嫁の雛鶴が、上弦の陸・妓夫太郎に襲われる絶体絶命のシーンでも自分以外の誰かを守ろうとする気持ちが前面に出ているのが次の言葉ー。
また殺される 目の前で人が殺される
(中略)
庇われてばかりでいいのか!!少しは役に立て!!
引用:鬼滅の刃11巻90話「感謝する」
このとき炭治郎は、水の呼吸と日の呼吸を混ぜて使う方法を編み出し、敵の予想を上回る速さで移動して雛鶴を奪還します。
つまり、『遊郭編』は『無限列車』での煉獄の喪失を受けて大きく成長していく炭治郎の姿が強調されているのです。
このように目の前の人を守れなかったという炭治郎の後悔と、亡くなった煉獄の「想いを受け継いで」、二度と同じように苦しむ人、命を落とす人を生み出さない、という強い決意が炭治郎を成長させ、眠っていた力が目覚め、痣が発現したと考えられます。
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「日の呼吸」と「ヒノカミ神楽」
炭治郎の痣が発現したのは、「人の想いが繋がっている」ということの証。
継国縁壱が一人で滅ぼすことができなかった、鬼の始祖・鬼舞辻無惨を、炭治郎の祖先・竈門炭吉(かまどすみよし)がその縁壱の想いを引き継ぎ、「日の呼吸」を「ヒノカミ神楽」として後世に継承しました。
継承した炭治郎が、「人を守る」という強い想いによって、父・炭吉からの遺伝が絶たれていたかに見える「痣」を、発現させたものと考えられます。
痣の発現を成功させたのは、「日の呼吸」という最強の呼吸法による心拍数・体温の上昇であり、日の呼吸の能力を高めたのは、炭治郎の「人を守る」という「想いの継承」に由来していると考えられる。
自ら痣を発現できるのは「日の呼吸」の使い手だけ?
「痣」を自ら発現させることができるのは、「日の呼吸」の使い手だけである可能性は高いと推察されます。
「日の呼吸」は、あまたある呼吸の中で「最強の御業」と言われるように、呼吸によって体中の血の巡りを早くし、心拍数・体温を上昇させ、最も痣を発現させるのに適した呼吸法だと考えられます。
言い方を変えれば、「痣を発現させるには日の呼吸のように優れた呼吸法でなければ発現させることができない」とも言えるかもしれません。
作中では「日の呼吸」の使い手である縁壱が最初の「痣者」であり、その周りにいた「始まりの呼吸の剣士」と呼ばれる者たちも、その後、全員痣が発現しました。
今の世代でも同じ現象が起きており、「日の呼吸」の使い手である炭治郎が発現したのち、次々と柱たちが痣を発現させていきます。
「日の呼吸」の使い手は痣発現の「要」と考えられる。
「柱」の痣の発現
柱たちの「痣」発現の時系列
炭治郎のあとに痣を発現していった柱たちを時系列で紹介します。
- 霞柱・時透無一郎(14巻)
発現要因:記憶を取り戻し、誰かのために無限の力を発揮できる本来の自分を取り戻したため。
痣の場所:両頬と左上の額
痣の形:霞を表したような紋様
対戦相手:上弦の伍・玉壺(ぎょっこ)
対戦場所:刀鍛冶の里
痣の共鳴:炭治郎 - 恋柱・甘露寺蜜璃(14巻)
発現要因:仲間から必要とされたことで特異な自分を認めることができ、人を守る強い覚悟ができたため。
痣の場所:首元
痣の形:ハート形
対戦相手:上弦の肆・半天狗の分裂体・憎珀天(ぞうはくてん)
対戦場所:刀鍛冶の里
痣の共鳴:炭治郎 -
- 水柱・冨岡義勇(17巻)
発現要因:強者とのギリギリの戦いの中で感覚が研ぎ澄まされ覚醒。
痣の場所:左頬
痣の形:水の流れのような紋様
対戦相手:上弦の参・猗窩座
対戦場所:無限城
痣の共鳴:炭治郎 - 岩柱・悲鳴嶼行冥(19巻)
発現要因:痣の力なくして上弦の壱・黒死牟を倒すことができないと判断し発現。
痣の場所:両腕
痣の形:岩のヒビのような紋様
対戦相手:上弦の壱・黒死牟
対戦場所:無限城
痣の共鳴:(炭治郎に共鳴して発現した)時透無一郎
- 水柱・冨岡義勇(17巻)
- 風柱・不死川実弥(20巻)
発現要因:上弦の壱・黒死牟を倒す強い意思により発現。
痣の場所:右頬
痣の形:風車
対戦相手:上弦の壱・黒死牟
対戦場所:無限城
痣の共鳴:(炭治郎に共鳴した)時透無一郎・(無一郎に共鳴した)悲鳴嶼行冥 - 蛇柱・伊黒小芭内(22巻)
発現要因:万力の握力で「赫刀(かくとう)」を生み出そうと力を込めたため。
痣の場所:左腕
痣の形:蛇のような紋様
対戦相手:ラスボス・鬼舞辻無惨
対戦場所:地上のどこか
痣の共鳴:炭治郎・冨岡・悲鳴嶼・不死川
「痣」を発現した者の例外
不死川玄弥・・・「鬼喰い」による痣の発現
引用:鬼滅の刃20巻174話「赤い月夜に見た悪夢」
玄弥は「無限城」での上弦の壱・黒死牟との戦いで、黒死牟の刀の一部を食べた後、「痣」が現れますが、発現場所が左右逆であごには見当たりません。そして白目の描写が黒死牟と同じになっています。
玄弥の潜在能力は、呼吸や剣士としての才能もないまま変わらないため、玄弥の鬼喰いの能力は、「食べた鬼に近くなる能力」であり、自身の能力による痣の発現とは無関係と考えられます。
痣が発現しなかった柱
「自ら痣を発現できるのが日の呼吸の使い手である炭治郎」と仮定した場合、痣が発現しなかった柱の根拠は以下の通りです。
- 炎柱・煉獄杏寿郎(8巻)
要因:痣の発現の要素を持っていた炭治郎が覚醒していなかったため発現しなかったと推察される。 - 音柱・宇随天元(11巻)
要因:痣の発現の要素を持っていた炭治郎が覚醒して上弦の頸を切って終戦したため発現しなかった。 - 蟲柱・胡蝶しのぶ
要因:自身が宿敵・童磨を倒すための毒の役割を果たすため。体温39度以上、心拍数200以上の痣発現の条件だと毒になった自分の体を維持できない、という理由もあったと推測される。
柱とは「想いを引き継ぎ、次世代に繋ぐもの」
柱ならば後輩の盾となるのは当然だ
柱ならば誰であっても同じことをする
若い芽は摘ませない
引用:鬼滅の刃8巻66話「黎明に散る」
これは、『無限列車編』で上弦の参・猗窩座との戦いに敗れた炎柱・煉獄杏寿郎の最期の言葉です。
この言葉の通り、9人の柱は自分の命をかえりみず若い後輩たちのために戦い抜き、多くが戦死していきます。
「日の呼吸」を継承した炭治郎が、縁壱の想いを受け継いで現れたのが「痣」であり、その痣に共鳴し発現させた柱たちは、次世代の若者たちへ想いを繋ぐ架け橋だったのかもしれません。
炭治郎が縁壱の想いを「痣」の形で具現化し、柱は次世代を守り繋ぐために「痣」を継承したと推測される。
痣が発現しなかった主要人物たち
最終決戦『無限城編』での戦いに参加し、柱以外で勝利に貢献した主要人物が3名います。
- 我妻善逸
- 嘴平伊之助
- 栗花落カナヲ
この3名は、柱や炭治郎が「痣」を発現して戦っていた中でも、最後まで、「痣」を発現させることはありませんでした。
同じ戦いの中で、この3名だけが呼吸を使えるのに痣が発現しなかったことに、違和感を感じた人も少なくないのではないでしょうか。
これは私の推測ですが、作者が意図して3人を痣者にしなかったのではないか、と考えています。
善逸・伊之助・カナヲの3人は、「新時代を担う者」という役割を与えられて痣を発現しなかったと推測します。
炭治郎が縁壱の意思を継ぎ自ら発現させた「痣」を、柱が継承し、戦いが終わった世界で、新時代を生きる人たちに死を待つ痣ではなく「想い」が継承された、というメッセージが込められている、と思っています。
竈門禰豆子や不死川玄弥も勝利に貢献しましたが、二人は鬼の能力を有しており、すでに鬼の紋様を発現。
玄弥は黒死牟由来の痣が発現して、そのまま黒死牟に敗れ死亡してしまいますが、禰豆子は珠代の「人間返り」の薬のお陰で鬼の力を失い人間に戻ったため、鬼の紋様も消え生き延びることができました。
縁壱の「想い」を受け継いだ、「痣発現の要」である炭治郎に対して、柱たちが次々と共鳴し「痣者」となり、自分の命を削りながら次世代を担う若者たちに未来を託そうとした、すなわち「受け継ぐ」という作品のテーマが形成され、痣が発現しなかった3名に未来が託されたと考えられる。
まとめ
『鬼滅の刃』の世界で『痣』が発現する複雑なメカニズムに迫りました。
この現象は、主人公・竈門炭治郎の一族の「受け継ぐ」という想いに結びついています。痣が発現する条件やその特徴、さらには柱たちの痣発現の要因、また痣がどのように「想いを受け継ぐ」テーマと結びついているかも明らかにしてきました。
炭治郎が痣を発現させた背後には、彼の祖先である竈門炭吉と継国縁壱の深いつながりがあり、その想いが後世に繋がっています。
柱たちは炭治郎の痣を通じて次世代に想いを継承し、若者たちを守る盾となる役割を果たしました。
そして痣が発現しなかった善逸、伊之助、カナヲ、の3名と生き残った炭治郎、禰豆子に未来が託されたとみられます。
この「痣」の秘密が、物語の核心をなす要素であり、キャラクターたちの成長と絆を描く重要な要素であることがわかりました。
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